この記事でわかること
- タクシードライバーが副業できるかどうかの判断基準
- 副業OKなタクシー会社の見分け方と隔日勤務のメリット
- タクシー運転手におすすめの副業と稼ぎやすい組み合わせ
- 他職種の人がタクシーを副業にする具体的な方法と収入目安
- ライドシェアとタクシー副業の違い・どちらが副業向きか
- 副業収入が生じたときの確定申告の判断基準
「タクシードライバーは休日が多いから副業できるって聞いたけど、本当に問題ないの?」
「サラリーマンだけど、週末だけタクシーに乗って稼ぎたい」
タクシーと副業の関係は、どちらの立場かによって話が大きく変わります。現役タクシードライバーが別の仕事を副業にする場合と、他職種の人がタクシーそのものを副業にする場合では、必要な手続き・注意点・稼げる金額がまったく異なります。
このページでは、2つの角度からタクシーと副業の関係を徹底解説します。
①タクシードライバーが別の仕事を副業にする場合、②他職種の人がタクシーを副業にする場合——それぞれに必要な知識と注意点をまとめました。確定申告・就業規則・NG行為についても具体的に解説しています。
タクシードライバーは副業できるのか?就業規則で変わる3パターン
タクシードライバーが副業できるかどうかは、勤務先の就業規則しだいです。法律(労働基準法)では副業を一律禁止する規定はありませんが、会社ごとにルールが異なります。
| パターン | 内容 | 主な理由 | 副業できる? |
|---|---|---|---|
| 届出不要・自由 | 就業規則に副業禁止の記載なし | 中小タクシー会社に多い | ○ できる |
| 届出制・許可制 | 会社への申告・承認が必要 | 大手・中堅タクシー会社に多い | △ 申請すればできる |
| 原則禁止 | 副業を就業規則で禁じている | 競合他社・安全管理上の理由 | × できない |
2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定し、副業推進の流れが強まりました。それを受けてタクシー業界でも副業解禁の流れは進んでいますが、まず入社前または就業中に就業規則を確認することが最優先です。
就業規則の確認ポイント
- 「副業・兼業」「二重就業」「兼職」などのキーワードを探す
- 禁止規定がなければ基本的に副業OK
- 届出制の場合は様式・提出先・審査基準を確認する
- 「競合他社」への副業のみ禁止しているケースもある
隔日勤務でタクシー運転手が副業しやすい理由
タクシードライバーの勤務形態は大きく3種類あります。このうち隔日勤務(隔勤)は、副業との相性が抜群によいとされています。
| 勤務形態 | 勤務時間の目安 | 出勤回数/月 | 副業との相性 |
|---|---|---|---|
| 隔日勤務(隔勤) | 約16〜20時間/1勤務 | 11〜13回 | ◎ 公休日が多く副業時間を確保しやすい |
| 日勤 | 8〜10時間/日 | 20〜22日 | △ 一般的なサラリーマンと同水準 |
| 夜勤 | 21時〜翌5時頃 | 15〜20日 | △ 夜間固定なので日中副業は可能 |
隔日勤務の場合、1回の乗務が終わると翌日は公休になります。月の出勤日数は11〜13日程度なので、残りの17〜19日間を副業に充てることができます。
ただし、隔日勤務は1回の拘束時間が長い(最大21時間・実働16時間前後)ため、乗務翌日は疲労回復を優先することが安全上も重要です。副業は体調と相談しながら無理のない範囲で行いましょう。
タクシードライバーにおすすめの副業5選
タクシードライバーが副業を選ぶ際のポイントは、①隔日勤務の休日に合わせて柔軟にシフトを組めること、②体力的な負担が重なりすぎないこと、の2点です。
①デリバリー配達員(Uber Eats・出前館など)
自転車・バイク・自動車で食事を届けるデリバリーは、好きな時間に稼働・停止できるため副業との相性が良好です。タクシードライバーはすでに運転に慣れているため、スムーズに始められます。
- 稼働単位: 1時間〜(好きな時間に開始・終了)
- 収入目安: 時給換算1,000〜1,800円(稼働エリア・時間帯による)
- 注意点: 自家用車を使う場合は「業務使用」の保険加入が必要
②軽貨物ドライバー(個人事業主として業務委託)
Amazonや楽天などの配送パートナーとして、自分のトラックやバンを使って荷物を届ける仕事です。1日単位・半日単位で請け負えるスポット案件も多く、タクシーの公休日に合わせて稼働できます。
- 稼働単位: 半日・1日単位のスポット案件が多い
- 収入目安: 1日8,000〜15,000円
- 注意点: 軽貨物運送業の届出(黒ナンバー取得)が必要
③ブログ・動画コンテンツ(タクシードライバー視点)
タクシードライバーの日常・接客エピソード・路線の知識などは、一般人には珍しい情報です。ブログやYouTubeで発信することで広告収入を得られます。体力的な負担ゼロで、乗務後の自宅でも作業できます。
- 稼働単位: 自分のペースで自由に
- 収入目安: 月0〜数十万円(軌道に乗るまで3〜12か月かかる)
- 注意点: 乗客のプライバシーに関わる内容は絶対に公開しない
④イベントスタッフ・警備員(単発バイト)
コンサート・スポーツイベントの誘導員や商業施設の警備員は、単発での求人が多く、希望日だけ入れます。立ち仕事が多いため疲労が蓄積しやすい点は注意が必要ですが、未経験でもすぐ始められます。
- 稼働単位: 1日単位のスポット採用が主流
- 収入目安: 時給1,100〜1,500円
- 注意点: 乗務翌日は疲労度を見て判断する
⑤せどり・フリマ転売(物販)
ガレージセールやリサイクルショップで掘り出し物を仕入れ、メルカリ・ヤフオクで売る物販副業は、隙間時間を活用しやすいスタイルです。資金管理と仕入れスキルが必要ですが、軌道に乗れば安定した副収入になります。
- 稼働単位: 仕入れ・出品を自由なタイミングで
- 収入目安: 月1〜10万円(ジャンル・仕入れ量による)
- 注意点: 古物商許可証が必要な場合がある(継続的な仕入れ・販売を行う場合)
他職種の人がタクシーを副業にできるか?制度と現実
「週末だけタクシーに乗りたい」「副業でタクシードライバーになれる?」という相談は年々増えています。結論から言うと、制度上は可能ですが、いくつかの条件をクリアする必要があります。
まず本業側の就業規則確認が必要です。公務員は国家公務員法・地方公務員法により副業が原則禁止されています。民間企業の場合は就業規則の確認が必要で、副業禁止規定がある会社では本業側からペナルティを受ける可能性があります。
| 職業 | 副業タクシーの可否 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 民間会社員 | ○(就業規則次第) | 本業の就業規則を確認。届出制の場合は申請する |
| フリーランス・個人事業主 | ○(原則自由) | 複数の源泉徴収管理・確定申告が必要 |
| 国家・地方公務員 | × 原則不可 | 「営利企業への従事制限」により許可なし副業は違法 |
| 会社役員 | △ 要確認 | 競業避止義務・定款規定を確認する必要がある |
STEP 1第二種運転免許の取得
タクシーで旅客を有償で運送するには第二種運転免許が必要です。一種免許取得後3年以上、または21歳以上が受験資格の目安です(教習所によって異なります)。
- 取得費用: 約20〜35万円(教習所に通う場合)
- 取得期間: 約2〜4週間(合宿)〜2〜3か月(通学)
- タクシー会社によっては採用後に全額会社負担で取得できるケースもある
STEP 2定時制乗務員として採用される
副業・Wワーク希望者向けの採用枠として定時制乗務員制度を設けているタクシー会社があります。正社員(フルタイム)の4分の3未満の時間で働く制度で、週1〜2日からの勤務が可能です。
- 週1〜2日の勤務でも採用される会社がある
- 社会保険の加入要件は週20時間以上・月額賃金8.8万円以上(2026年時点)
- 大都市圏(東京・大阪・名古屋など)のほうが定時制採用は多い
STEP 3地理試験・社内研修を経て乗務開始
第二種免許取得後、タクシー会社への採用が決まったら、地理試験(対応エリアの道路知識)と社内研修を受けます。地理試験は都市部(特に東京)では難易度が高く、合格まで複数回かかるケースもあります。
- 地理試験: 都市部では正式地理試験(国土交通省認定)が必要なエリアもある
- 社内研修: 接客マナー・料金メーターの操作・配車アプリの使い方などを学ぶ(1〜2週間程度)
- 研修期間中も給与が発生する会社がほとんど
- 副業・定時制乗務員も同じ研修プログラムを受けるのが一般的
副業タクシーを始めやすい会社の特徴
- 「定時制乗務員募集」「Wワーク歓迎」の採用ページがある
- 第二種免許取得費用を会社が全額負担する制度がある
- 週1〜2日からのシフトを認めている
- 固定給ありの給与体系(完全歩合より収入が安定)
- 配車アプリ(GO・S.RIDE等)と契約しており需要が安定している
副業タクシーで月いくら稼げる?収入シミュレーション
副業タクシーの収入は、勤務日数・時間帯・エリアによって大きく変わります。以下は実際の相場観をもとにしたシミュレーションです。
| 勤務パターン | 月の乗務回数 | 1乗務あたりの売上目安 | 月収目安(歩率60%の場合) |
|---|---|---|---|
| 週1日・昼間のみ | 4〜5回 | 3〜5万円 | 7〜15万円 |
| 週1日・夜間含む | 4〜5回 | 4〜7万円 | 10〜21万円 |
| 週2日・昼夜混合 | 8〜10回 | 4〜6万円 | 19〜36万円 |
| 週末のみ(土日) | 8〜9回 | 3〜6万円 | 14〜32万円 |
タクシー乗務員の給与体系は一般的に「固定給+歩合給」または「完全歩合」で設定されています。売上に対して55〜65%が給与になるケースが多く、深夜・早朝は割増運賃が適用されるため、夜間乗務のほうが効率よく稼げます。
稼ぎやすい時間帯・シーン
- 金・土の夜間〜深夜(繁華街・飲み会需要)
- 悪天候の日(雨・台風前後)
- 大型イベント・コンサート開催日
- 年末年始・GW・お盆(需要増・割増運賃)
- 空港・主要駅周辺での待機
ライドシェアと副業タクシー、どちらが副業向き?
2024年4月から日本でも一部地域でライドシェアが解禁され、「ライドシェアを副業にしたい」という声も増えています。副業という観点で、タクシーとライドシェアを比較しました。
| 比較項目 | 副業タクシー(定時制乗務員) | ライドシェア(一般ドライバー) |
|---|---|---|
| 必要な免許 | 第二種運転免許(要取得) | 普通自動車第一種免許でOK |
| 参入のしやすさ | 採用審査・研修あり | アプリ登録・審査のみ(比較的簡単) |
| 稼働の自由度 | シフト制(定時制でも調整が必要) | アプリオンで自由に稼働・停止 |
| 収入の安定性 | 固定給+歩合(安定しやすい) | 需要依存(変動が大きい) |
| 稼げる金額の上限 | 高い(夜間・繁忙期に大きく稼げる) | 現状は低め(規制・対応エリアが限定的) |
| 副業向きか | 週1〜2日ならおすすめ | スキマ時間に少しだけ稼ぐなら向いている |
2026年現在、日本のライドシェアは対応エリアが限定的で、収入の絶対額はまだタクシーに劣ります。しっかり稼ぎたいなら副業タクシー、手軽さを重視するならライドシェアという使い分けが現実的です。なお、両方を掛け持ちする「ライドシェア×定時制タクシー」という組み合わせも、会社の就業規則が許せば可能です。
タクシー副業と確定申告——いくらから必要か
副業収入が発生した場合、確定申告が必要になるケースがあります。「会社が年末調整してくれるから大丈夫」と思い込んで無申告のままにすると、追徴課税や加算税のリスクがあります。
ケース①タクシー運転手が副業収入を得た場合
給与所得者(タクシー乗務員)が副業で所得を得た場合、副業所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です(所得税法第121条)。
- 20万円以下の場合は所得税の確定申告不要(住民税は別途申告が必要な場合あり)
- 雑所得(ブログ収入・フリマ収益など)と事業所得(軽貨物・個人事業主)で扱いが変わる
- 副業収入があることを会社に知られたくない場合は「住民税を普通徴収にする」にチェックを入れる
ケース②他職種の人がタクシー乗務員として給与をもらう場合
定時制乗務員として採用されると、タクシー会社から給与(源泉徴収される)が支払われます。この場合は2か所以上から給与を受け取ることになるため、金額にかかわらず確定申告が必要です。
- 主たる給与(本業)以外の給与収入が年間20万円を超えると確定申告必須
- 確定申告をすることで還付になるケースも多い(源泉徴収で多く引かれているため)
- 青色申告・白色申告いずれかを選択する(個人事業主として軽貨物等を行う場合は青色申告が節税に有利)
タクシー会社に副業の届出をするときのポイント
届出制・許可制を採用している会社では、副業を始める前に所定の手続きが必要です。届出の内容が不十分だと「無届け副業」と判断されるリスクがあります。以下のポイントを押さえて申請しましょう。
チェック①届出に必要な情報を事前に確認する
多くの会社では副業届の書式が定められています。一般的に求められる記載内容は以下のとおりです。
- 副業先の会社名・業種・業務内容
- 週あたりの勤務時間・日数の見込み
- 副業の開始予定日
- 本業への影響がないことの誓約
チェック②競合他社への副業に該当しないか確認する
タクシー会社同士は直接競合する場合があります。就業規則に「競合他社への就業禁止」がある場合、別のタクシー会社での副業(ダブルワーク)は認められません。デリバリー・物販など異業種への副業は問題になりにくい傾向があります。
チェック③副業を理由に不利益を受けた場合の対処法
副業を届け出たことで昇進に不利益を受けたり、配置転換の対象にされたりする場合は、労働基準監督署や弁護士への相談を検討してください。副業を理由とした不当な扱いは、場合によっては違法となります。
タクシー副業でやってはいけないこと
タクシードライバーが副業を行ううえで、法律・就業規則・安全上のNGラインを知っておくことは非常に重要です。
- 自家用車での有償旅客輸送(白タク行為):道路運送法違反。ライドシェア許可エリア外での有償輸送は禁止。
- 就業規則に反した無届け副業:会社の規則を破った場合、懲戒処分(減給・解雇)の対象になりうる。
- 睡眠不足・過労状態での乗務:道路交通法の過労運転禁止規定に違反。事故時に刑事責任を問われるリスクも。
- 乗客情報の漏洩・SNS投稿:個人情報保護法違反になりうる。乗客を特定できる情報の公開は厳禁。
- 競合タクシー会社への副業:就業規則に「競合他社への就業禁止」がある会社では処分対象。
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この記事の監修者・運営者
監修
中村圭介
株式会社myteams 代表。人材・求人メディア業界にてマーケティング責任者・取締役として8年以上のキャリアを持つ。ドライバー職の求人・転職市場に精通し、現場の実態調査・監修を担当。
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